「最初の1年は、会社からの長期投資」。札幌のSIer・LICが大切にしてきた1年間のOJT。経営陣・現場の先輩・育った若手——関わる全員の本音から、その文化のすべてを。
中小企業としてはかなり珍しい「1年間OJT」。スープカレーを囲みながら、村上常務が語った教育への想いと、新人へのまっすぐな期待。
うちの会社がやっているのは、お客さんや先輩とのコミュニケーション、情報共有。それを企業文化として根付かせるには、先輩と後輩が一緒に仕事を成し遂げることが大事だと思って、OJTという制度を設けました。
「全部教える。でも受け身はNG」。吸収して成長を止めないこと——それが新人に求める唯一にして最大の資質。
「ネットでいいや」ではなく本で学ぶ。知識を持ってAIと向き合えば、同じ答えへの到達時間が大きく変わる。
OJT担当者の役割は、明文化できない現場の空気感・風習を伝えること。技術だけでは渡せないものがある。
実際に新人を指導する現場の先輩4人に、リアルな本音を聞きました。アプローチは違っても、根っこにあるのは「自分で考えて、自走できるようになってほしい」という共通の願い。
ある先輩いわく、目指す距離感は「わからないことを聞きに行ったら、いつでも即時で何かしら答えてくれる人」=「要するにAPI」。困った時に秒でレスをくれる、安心感の窓口という意味。先輩たちの言う『放置』も、見捨てることではなく、新人の『考える時間』を奪わないための、あえての『見守り』です。
入社数年の若手社員をリーダーに。新人教育と同時に、若手先輩がリーダー経験を積めるユニークな仕組み。
実案件より多くを短期間で、しかも教育的に学べる。業務感を体験しながら、安全に失敗できる場。
0→1はメンター、1→100は新人。考える時間を奪わないための、計算された“放置”という名の見守り。
そのOJTを実際に受けて育った、入社3年目の3人。入社当時の不安、しんどかった壁、そして乗り越えた先の成長——教わった側のリアルすぎる「1年目の本音」です。
「ドキュメント作成も実装もテストも、すべてイメージできていない状態。『自分たちだけでできるのか』という不安が大半でした」
「『すぐ実務に入って、足を引っ張りながら必死についていくのかな……』と思っていました」
「どのくらいの距離感で、どんな風に業務をするのか不安でした」
「とにかくカバーが手厚い! 常に同じデスクにOJTリーダーがいてくれるから、質問しやすい環境でした。技術セミナーも進行に合わせたタイミングで身になった」
「めんどくさいと思っていた処理が、フレームワークでこんなに簡単に実装できるのか、と感動したのをよく覚えています」
「自分が積極的に動けば、かなり良い成長の機会になる。業務だけでなく仕事の仕方や社内のことまで幅広く学べました」
「経験者の同期と実装速度に差が出たとき。乗り越えるというより『過去より成長できているか』に重きを置くようにしました」
「OJT後の初プロジェクトで、概要を聞いてスッと開発のイメージができた瞬間、成長を実感しました」
「詰まったら状態と考えをまとめて質問する、を繰り返して何とか乗り越えました」
常務の「2〜3年目から稼げるようになればいいから」という言葉。おかげで劣等感を抱えすぎず、技術向上に集中できました。
かなり助けてもらった実装なのに、先輩から『機能を作ってくれてありがとう』と言ってもらえたのが、すごく嬉しかった。
「質問しに行くとすぐ的確な回答をもらえて、『たくさん質問していいんだ』と思えました」
「来年の新人を、どう育てるか」。経営も現場も同じテーブルに集まって、本気で頭を悩ませている——OJTへのこだわりは、過去の制度ではなく、今まさに更新し続けている現在進行形の取り組みです。
このページは3本のインタビュー記事を再構成したダイジェストです。スープカレーの場面も、先輩たちの脱線も、全文のほうがずっと読み応えがあります。ぜひ元記事もどうぞ。
経営陣の大きな投資と安心感、現場の先輩のリアルな試行錯誤、若手の等身大の成長ストーリー。三者の本音は、一本につながっていました。
忙しそうに見えるあの人もこの人も、心の中ではみなさんからの「教えてください」を、両手を広げて待っています。きっと。失敗を恐れず、一緒に「モノづくりの楽しさ」を味わいましょう。